自閉症のお子さんの子育てで困っていることはありませんか?
「OHANAノート」では、そんな子育ての悩みに自閉症支援のプロがお答えしていきます。
今回は、「食べ物」についてのお困りごと。
自閉症の方の中には、こんな行動がある方がいます。
- 冷蔵庫の中や目についた食べ物を全て食べ尽くす
- 作り置きしていた食べ物やマヨネーズなどの調味料まで目についたものを全て食べてしまう
- 食べ物を奪うために人を叩いてしまう
このような行動があるのはなぜでしょうか?
実は、以下のような自閉症の特性が関係しています。
- 食べ物が目に入ると食べなければいけない衝動に駆られる「衝動性」
- 一度注目してしまうと強くこだわり続けてしまう「注意•注目の特性」
- 「食べ物」と「食べる行為」を強く結びつけてしまう「関連付け」
- 食べ物の適切な摂取量がわからない「想像力の欠如」
このようなケースではどう対応したらいいのでしょうか?
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それは、「食べ物が目につかないようにする」ことです。
自閉症の方は、一度注目してしまうとなかなか別の事に切り替えることができません。
食べ物が目に入ってしまうと、否が応でも食べてしまう、「食べなければならない」という衝動に駆られてしまう方もいます。ご本人が「食べたい」という意思があるとは限りません。吐くまで食べてしまうこともあります。
「食べ物を出しっぱなしにしない」ことが大切です。
ある親御さんは、冷蔵庫の中身をいつも空っぽにしていたり、食べ物をすべて冷凍保存したりしているそうです。
でも、このような対策を毎日続けるのは大変ですよね。
そこで、OHANAが実践していることをご紹介します。
OHANAが運営している自閉症者専用のシェアハウス「Pila」にも、ご自宅で食べ物に強いこだわりがある利用者様がいらっしゃいます。そのような方々に配慮して、シェアハウスのキッチンをこのようにしました。どこが工夫されているか分かりますか?
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正解は、「カウンターキッチン」にしていることです!
キッチン側とダイニング(食事スペース)側の出入口を完全に分けているので、自閉症の利用者様がキッチンに入ることはありません。
また、食べ物を出しっぱなしにしないように気をつけることで、利用者様の食べ物への固執は見られていません。
今すぐにご自宅で挑戦するのは難しいかもしれませんが、まずはできることから始めていきましょう♪