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OHANAノート 2023.10.11

ブルガリアのABA療育センターを視察して(後編)

こんにちは!株式会社OHANAの杉本と申します。前回の記事では、私が現地で視察してきたブ…

こんにちは!株式会社OHANAの杉本と申します。

前回の記事では、私が現地で視察してきたブルガリアのABA療育センター「Autism Today」についてご紹介しました。今回は、実際に見学させて頂いた「ABA療育」「作業療法」をご紹介します!

そもそもABAとは?

今回の視察を通して、専門家からABA(応用行動分析)の考え方を直接教えて頂くことができました。ABAの考え方では、望ましい行動を強化し、望ましくない行動を消去していきます。行動を強化する方法は色々あり、例えば、望ましい行動がとれた後に、褒めることも一つの方法です。

3歳の自閉症の男の子のABAセラピーの様子。指差しや「ください」といった発語での要求を教えています。
出来たら「Bravo(すごい)!」と褒めています。

行動を強化する方法には他にも、子供の好きなもの(お菓子やおもちゃ等)を与える方法があります。ある行動を取れば良い結果が得られる、ということを学習した子供たちはその行動をさらに繰り返すようになります。

こちらの男の子は活動に集中することが難しく、物を投げる、泣くなどの行動がある。
そこで、男の子が音楽が好きなので、バースデーソングが流れるおもちゃを使って指差しや果物の名前を教えていました。

逆に、望ましくない行動に対しては、徹底的にスルーしていました。子供が癇癪を起したり泣き喚いたりするのは、支援者の注意を引くためであることがあります。そのような行動に対して支援者が過剰に反応すると、その行動で目的が達成されてしまい、誤った行動を学習してしまいます。そこで、どの支援者も徹底して過剰に反応しないという同じ対応を取っていました。子供は、不適切な行動を取っても自分の要求が通らないとわかると、やがて諦めて落ち着いてきたり、別のものに興味を示したりします。そこで支援者が動き、興味を示したものを使って活動に取り組ませます。

机の下に隠れる、噛む、叫ぶなどの行動がある3歳の自閉症の男の子。机に向かって座ることができず、小学校への入学を遅らせているそう。セッション中に泣き叫んだ男の子に対してセラピストは過剰に反応せず、好きなシャボン玉を用いて活動に取り組めるように誘導しています。

自立が目的

子供のうちから自立スキルを習得するため、できることは自分でやらせたり、支援者がやり方を一緒に教えたりしていました。生活スキルを鍛えるためのおもちゃも沢山ありました。

また、社会性習得のため、複数人で同時にセッションを行うこともありました。

作業療法セラピーとは?

Autism Todayで提供しているセラピーは「ABA療育」と「作業療法」の2種類あります。後者では、作業療法士が身体の使い方に不器用さがみられる自閉症の子供たちに感覚統合や作業の訓練をしていました。

つま先立ちで歩くなど身体感覚や動作につまづきが見られる男の子。歩く、物を掴む、置く、スプーンを使う、などの基本的な動作を教えていました。

最後に

今回、とても親切にご厚意で視察を受け入れて下さったツォロヴァさんを始めスタッフの皆様には心から感謝しています。Autism Todayのような質の高い早期療育が今後日本でも受けられるようになるように、この学びを多くの方々に伝えるだけでなく、OHANAが先駆けとなって活動していきたいです。

執筆者:

株式会社OHANA

杉本 麗百

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